【新商品】笹祝BAMBOOSHOOTS

笹祝酒造より新商品『笹祝 BAMBOOSHOOTS(バンブーシュート)』が5月より発売になります。こちら昨年から製造チームでずっと温めてきた新しいコンセプト、新しいシリーズの日本酒です!

目次

畠山杜氏の引退と新生 笹祝チーム

笹祝酒造で長年酒造りの中心を担ってきた畠山洋一杜氏が2024酒造年度(2025年3月まで)をもって引退することとなりました。畠山杜氏は38年という長きにわたり、西蒲区でこよなく愛される地酒「笹祝」の味わいを守り抜いてきました。

その間、日本酒を取り巻く環境は大きく変化しました。かつて生産量の多かった美味しくて安価な普通酒「笹祝 新潟印」の一升瓶は年々消費量が減少する一方で、純米酒を中心とした720ml瓶や180mlのカップ酒の出荷数量が伸びるようになりました。

そのような中で当時の笹祝ではこれからの日本酒市場に向けた挑戦として「笹祝Challenge Brew」シリーズを2017年に立ち上げました。『皆を巻き込みながら今までの笹祝にはない味わいのお酒造りに挑戦する』をテーマに、これまで生酛仕込みや活性にごり酒、低アルコール日本酒など様々な製法に挑戦してきました。これらのお酒が後に人気を博し、笹祝酒造の定番商品の一つとなり得たのは、畠山杜氏の豊かな経験、卓越した技術、そして柔軟な対応力の賜物であったと言えるでしょう。

そして、今期限りでの畠山杜氏の引退を受けて、この1年の酒造りは若手を中心としたチームが製造計画から最後のお酒を搾り終えるまでの舵取りを行いました。特にその核となったのは、頭(かしら)である大野雄介です。

今期の酒造りに向けて県外の日本酒蔵で研修を積み、畠山杜氏とも時に意見を衝突させながらも、自身の意見やアイデアを積極的に出し合い、2024酒造年度の日本酒造りを無事に皆造(すべてのお酒を搾り終えること)まで漕ぎつけました。

笹祝BAMBOOSHOOTSとは

笹祝酒造の新商品シリーズであり、今期の酒造りの締めくくりとも言える一本です。BAMBOOSHOOTSとは日本語でタケノコのこと。今の製造チームは、言わば地面から顔を出したばかりの柔らかいタケノコです。これから更に地にしっかりと根を張り、天に向かって真っすぐ成長していきたいという想いを、この名前に込めています。

また、「笹祝Challenge Brew」は、笹祝を応援してくださる酒屋さん、飲食店さん、一般消費者の方々からアイデアを募り、試験的なお酒を仕込む企画です。それに対して「笹祝BAMBOOSHOOTS」は、私たち製造チームが立派な竹へと成長していくための自己鍛錬であり、自発的な新製法への挑戦や既存技術のブラッシュアップを図るための一本としました。

毎年テーマを定めて酒造りを行っていく予定です。今期のテーマを「酸貴白低」という四文字に表しました!

BAMBOOSHOOTS -酸貴白低-のスペック

  • 品目:清酒
  • 原料米:亀の尾100%(西蒲区 そら野ファーム)
  • 精米歩合:65%
  • 原材料名:米(国産)、米麹(国産米)、清酒
  • アルコール分:12%
  • 容量:720mlと1800ml
  • 5月出荷分は生酒(要冷蔵)

2024酒造年度のBAMBOOSHOOTSは、飲みごたえと軽快さのバランスを追求した新たな挑戦酒です。そのテーマと製法は、「酸貴白低(さんきはくてい)」という、私たち製造チームが独自に作った四字熟語で表現しています。

⇒乳酸発酵によって酒母を育てる技法『酸基醴酛(さんきあまざけのもと)』に、笹祝で初めて挑戦しました。日本酒造りでは、純良な酵母を育てるための第一段階として、酵母増殖のスターターとなる「酒母」を仕込みます。現在一般的なのは速醸酛(そくじょうもと)と呼ばれる仕込み方で、市販の乳酸を添加して酸度を高めることで、野生菌の増殖を抑えます。対して伝統的な生酛(きもと)製法では、蔵人が温度や水分量などを調整することで天然の乳酸菌を湧き付け発酵させ、速醸酛と同様に酸度を高めて野生菌の増殖を抑えます。酸基醴酛は、その中間的な製法です。新潟県醸造試験場に依頼し培養した乳酸菌を酒母に植え付けることで乳酸発酵を起こし、酸度を高めて野生菌の増殖を防ぎます。

⇒一般には貴醸酒(広島県の榎酒造の商標であり、笹祝では再醸仕込みという名称を使用しています)という名前で知られている古典製法。醸造過程で「仕込み水」の一部に自社の「清酒」を使用することで、濃醇な味わいと類まれな高貴なニュアンスの風味が加わります。笹祝ではChallenge Brewにて「キャンディショップ」という名前の再醸仕込み酒を仕込んだ経験があり、今回のBAMBOOSHOOTSにも活かされました。

⇒麹の一部に「白麹(しろこうじ)」を使用しました。白麹は一般的に焼酎に使われる麹です。一般的な日本酒の麹である黄麹との違いは、多量のクエン酸を排出することです。笹祝の日本酒仕込みで白麹を使用するのは今回が初めてとなります。クエン酸は数ある酸の中でも、冷やした時にエグ味が出にくく、日本酒の味わいに清涼感を与えてくれます。BAMBOOSHOOTSでは「軽快で飲みやすいのに複雑味のある味わい」を目指しています。白麹はその味わいを構成する重要な要素の一つです。

⇒BAMBOOSHOOTSはアルコール分12%台の原酒です。一般的に日本酒のアルコール分は15~16%程度が多いのですが、現代の消費者にとっては、やや飲み疲れを感じさせる一因となっています。しかし、日本酒を12%台の度数にするために、ただ単に発酵中の醪(もろみ)や搾り上がった後の酒に水を加えてしまうと、味わいが非常に薄く、面白味のない日本酒になってしまいます。BAMBOOSHOOTSでは12%のアルコール度数でありながら、旨味や飲みごたえを感じる味わいとする為に、頭である大野雄介が県外の酒蔵での研修で指導いただいた技術を活用しています。

このとおり「酸貴白低」というテーマには、「新たな技術への挑戦」「これまでの製法のブラッシュアップと応用」「蔵の外で学んだ知識」が余すところなく詰め込まれています。そういった意味でも、畠山杜氏が引退された後の若手中心の笹祝を象徴づける、第一歩となる挑戦酒だと思います。

私たちの酒を、ぜひとも多くの方に飲んで楽しんでいただきたいです。

笹祝 BAMBOOSHOOTS -酸貴白低- 生酒Ver.

※火入れVer.は8月頃の出荷を目標にしています

1800ml3500円(税抜)
 720ml2000円(税抜)

酒販店様の取扱い希望は 笹祝酒造までお問い合わせください

Mail info@infosasaiwai.com

TEL 0256ー72ー3982

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次