突然ですが、皆さんは笹印の生原酒シリーズ味わったことありますか?実は、地酒ではちょっと珍しい「夏季でも手に入る無濾過生原酒」なのですが、、、これが夏にサイコーなお酒なのです!!今回は定番2種類の生原酒を比較して紹介します!
そもそも笹印シリーズとは

笹印は笹祝酒造の特約店限定酒。いわゆる「無濾過酒」というスタイルです。無濾過酒とは炭による濾過作業を行わないことで酒本来の味わいを打ち出したお酒の事を言います。
<濾過作業とは>日本酒は一般的に発酵が終わり上槽(布で濾して固体〔酒粕〕と液体〔清酒〕に分ける作業)をした後に「炭濾過」という工程を行います。炭濾過では搾った清酒に炭(活性炭)を混ぜることで、清酒中の雑味や着色の原因になる不純物を隅に吸着させ、清酒の味わいをより綺麗により安定させることが出来ます。
<無濾過酒とは>炭濾過の工程では清酒中の雑味や着色を防ぐ効果がありますが、同時に良い香味も大きく取り去ってしまいます。そこであえて炭濾過を行わないことでお酒本来の色味や味わいを押し出したお酒の事を「無濾過酒」と呼びます。
笹印シリーズでは酒を絞った後に全量を瓶詰し冷蔵庫で低温貯蔵を行うことで、無濾過酒ながらも香味や味わいがクリアな、かつ酒本来の味わいが楽しめる事を目指して設計しました。ラインナップは「純米」「純米吟醸」「生酛純米」「低精白生酛純米」と大きく分けて4種のバリエーションがあります。
その中でも取り分け「純米」と「純米吟醸」には少量生産品の生原酒(加水や火入れを行わないお酒)Ver.のお酒もあり、知る人ぞ知る逸品です
HPリンク→笹印 | 笹祝酒造株式会社 | 新潟市で愛される地酒蔵
笹印シリーズは「BY」にも注目!

BYとは「Brewery Year」の略でこれはお酒の製造年度を示す表記です。日本酒業界の年度は通常の暦とは少し違い7月1日に切り替わります。
この文章を執筆しているのは西暦2025年6月ですが、BYは7月切り替わりなので正月を迎えておらず、今はまだ2024BYという事になります(わかりにくい!)。つまり現段階での最新の製造ロットは2024BYという事になります。そこからすると2023BYや2020BYは製造から数年たっているお酒ですね。
笹印シリーズでは「無濾過」である事に加えて、「必要に応じてお酒を数年蔵で熟成させてから出荷する」お酒という立ち位置になっています。日本酒は良い酒質と良い保管条件であれば貯蔵により品質が高くなる事があります。笹印ではお酒の種類によって熟成年数をコントロールした在庫管理をしています(上手くいかなくて若いまま出してしまうお酒もありますが。。。)
ちょっと古い年のお酒でも、熟成を計算に入れて蔵内でしっかり管理していますので安心してお買い求めください!
要冷蔵の特別品!『生原酒』

笹印の中でも特に暑くなってくる日にオススメしたいのは『生原酒』!火入れによる加熱殺菌や加水によるアルコール調整を行っていないのでフレッシュで力強い味わいが楽しめます。口に含んだ時の濃い旨味とアロマティックな味わいは実に感動的!これは生原酒特有のものと言えるでしょう。
また生のお酒は熟成することで味わいがグングン進みます。もちろんしっかり管理をした上でですが生酒の熟成で旨味が濃くなっていくことを僕たちは「味が乗ってくる」と表現します。
ただしご家庭での生酒の保存は要冷蔵となる上、なるべく早めに飲み切ってしまう事が無難です。特に開栓後は数週間で飲み切って頂けると安心です。
笹印純米生原酒 vs 笹印純米吟醸生原酒

笹印シリーズの定番生原酒「笹印純米 無濾過生原酒」と「笹印純米吟醸 無濾過生原酒」を改めて解説します
笹印 純米無濾過生原酒
- 品質:純米酒
- 現行販売ロットの製造年度:2023BY
- 使用米:五百万石(新潟市西蒲区)
- 精米歩合:60%
- アルコール度数:17%
- 酒色:淡い薄黄色
- 味の特徴:ボディ感と旨味がしっかり凝縮した濃い印象。音で例えると低音、キャンディのような甘味
- ペアフード:塩引き鮭、レーズンバター、ブルーチーズ
純米酒の方は2023BYという事もありボディがメリハリが利いたしっかりとした味わい。インパクト強いです!ペアフードも同じく塩味や甘酸がしっかりしたタイプのものが良くマッチすると思います。
笹印 純米吟醸無濾過生原酒
- 品質:純米吟醸
- 現行販売ロットの製造年度:2024BY
- 使用米:越淡麗(新潟市西蒲区)
- 精米歩合:55%
- アルコール度数:17%
- 酒色:純米よりやや薄いイエロー
- 味の特徴:シャープで穏やか。余韻が美しい
- ペアフード:カマンベールチーズ、アボカド、越の雫
純米吟醸はより若い2024BY。音や色合いで例えるとよりトーンが高く抜けるような軽やかさがあります。甘みも和三盆のように上品で、越淡麗という酒米の気位の高さを感じるようです。ペアフードは同じようにネッタリ系テクスチャー。でももう少し塩味などがソフトで素材の味を隅々まで味わいたいものを選びました

エンジョイ!夏の生原酒
一般に生原酒というと冬場のイメージで現にいくつかの日本酒蔵では春先までしか販売しない所もあります。が、僕が考えるに生原酒が一番おいしい季節は夏!!!暑い日にキンキンに冷やした生原酒は本当に無類の美味しさと、料理とピッタリ合った時の「ととのった!(サウナ的意味で)」感覚が味わえます。
まだ試したことのない方、是非とも笹印の生原酒を味わってみてください!!
文:六代目 笹口亮介 ※AIによる校正不使用